1. 製品概要
キャリア分解型ホール効果測定装置PDL-1000
セミラボ社製PDL-1000で使用されているPDL(Parallel Dipole Line)の技術は、IBM社が開発した技術を搭載した新しい卓上型キャリア分解型ホール効果測定装置です。
AC/DC両磁界方式、ロックインアンプおよびフーリエ変換解析を組み合わせることにより、広い測定レンジへの対応を可能にしました。
AC磁場中でロックインアップ検出を行うことで、PDLシステム(Parallel Dipole Line system)は、ユニークなキャメルバックフィールド閉じ込め効果(camelback field confinement effect)を実現する斬新な磁気トラップシステムになります。反磁性浮上効果(diamagnetic levitation effect)により、グラファイトなどの反磁性物質が中心でトラップされることになります。
この技術を使用することにより、セミラボ社製PDL(Parallel Dipole Line)の技術ホール効果測定システム PDL-1000は、研究開発のアプリケーションにおいて、シート抵抗、キャリア濃度、移動度の測定をワイドレンジかつ高感度で測定することが可能です。
2. ホール効果測定とは?
一般的なホール効果測定のしくみ
ホール効果測定は「磁場中の半導体試料に電流を流した際に発生する電場(ホール電場)を測定する手法」です。
ホール効果測定は、電子材料、電子デバイスの評価でとても重要な役割を果たしています。しかしながら、低移動度材料、高抵抗かつ薄膜材料や低抵抗材料の測定では、小さい信号がノイズに埋もれてしまい評価が困難という事実があります。
PDL-1000でのホール効果測定の特徴
- Parallel dipole line磁石 を使用
- 超小型でありながらAC磁場を実現
- ロックイン検出方法を採用
- コンパクトテーブルサイズ
- ゲートバイアス電圧可能
- 2波長のレーザーによるCRPH測定(オプション)
3. 3. PDL-1000でのホール効果測定の特徴もうちょっと詳しく
電磁石無し、なめらかなAC磁界を実現
- 強磁性結合により、「Slave」磁石は常に「Master」磁石の向きを反映します。
- 「Master」と「Slave」の磁石はそれぞれ逆回転フィールドを生成します。
特徴的なのは、2つの磁石を互いに逆向きに回転させることで、横方向の磁界をキャンセルし、縦方向(Z方向)のみの磁界を連続的に変化させられる点。
CamelBack Magnetic Fieldによる磁気トラップ効果
右図の「中心が凹んだ形の磁界」を生ずる(Camelback Field confinement)反磁性浮遊効果により、この部分に反磁性体(グラファイトなど)をトラップするため、周囲の物体との接触から隔離され、非常に高感度の検出を可能にする。
FFTとロックイン解析による高感度測定
- AC磁石によって生じた磁界を測定したホール素子の信号をFFT(Fast Fourier Transform)によって変換することで、磁界の信号周期と同じ周波数のスペクトルが得られる。
- 更に, 磁界の影響を受けたホール信号は、磁界と同じ周期性があるため、ホール信号もFFTによって、磁界の信号周期と同じ周波数の点に強いピークを持つ。
- 周期性のある、微弱な信号から必要な信号を取り出す考え方→ロックイン検出法。
4. 計測例
酸化インジウム
酸化スズ
AZO
酸化銅
5. 納期・価格について
納期に関しましては、別途改めて、弊社担当営業からご連絡いたします。
価格については、幅広い価格でご提供しております。お気軽に弊社までお問い合わせください。