イオン注入モニタリング
現代の半導体デバイスでは、不純物のドーパント濃度と位置の正確な制御が必要であり、これはイオン注入と慎重なアニーリングによって実現できます。一般に、n型不純物はp型ウェハーに、p型不純物はn型ウェハーに注入されます。注入される一般的な不純物としては、p型ではボロンとインジウム、n型ではリン、ヒ素、アンチモンがあります。注入はモニターウェハーを追加してモニタリングされ、モニターウェハーが注入とアニーリングの後に確認されます。また、製品ウェハー上で試験ボックスを使ってモニタリングすることもできます。
シート抵抗測定
イオン注入プロセスとインプラントアニーリングプロセスの組み合わせは、通常、注入層のシート抵抗を測定することでモニタリングされます。シート抵抗は、ドーズ量とエネルギーや、注入された不純物のうちで電気的に活性化されたインプラント量によって変化します。デバイスの性能を最終的に決めるのは、シート抵抗です。このため、シート抵抗の測定は、注入プロセスに関連するあらゆる要素のモニタリングに有効です。
JPV法の基本概念は、npまたはpn層構造の光励起と、それから生じるジャンクション・フォトボルテージのキャパシタンスプローブによるピックアップです。検出電位は、注入層のシート抵抗、ジャンクションのキャパシタンス、ダイオードを介した抵抗から決まります。
図2.シート抵抗測定(低範囲)
図3.シート抵抗測定 (高範囲)
セミラボでは、シート抵抗のマップを非接触・高分解能で高速に作成できるJPV法をご用意しています。
Photo-modulated Reflectivity Measurement(PMR)
Photo-modulated Reflectivity Measurement(PMR)は、イオン注入後、アニーリング前の製品用ウェハーのドーズ量をモニタリングできる優れた技術です。この測定プロセスでは、波長の異なる2つのレーザー光源(生成レーザーλ1、プローブレーザーλ2)によりウェハーを照射します。λ2は一定で、λ1は変調されます。ポンピングレーザーの光がサンプルから反射されます。反射率の変化は、変調の効果として観察できます。反射率変化はPMR信号そのものであり、イオン注入ダメージとキャリア濃度の両パラメーターにとても敏感です。