3D構造デバイスの特性評価

半導体集積回路(IC)の機能増加が絶えず求められており、集積度をますます高めていく傾向があります。この結果、所定の面積からより多くの機能を引き出すために、3D構造デバイスの利用が増えてきています。このことは、半導体デバイスと相互接続の両方の技術における複数の領域で確認ができます。その一例として、貫通電極、コンタクト、メモリーコンデンサの構造におけるアスペクト比の増加傾向が続いています。その他の例としては、最先端技術ノードでFinFETロジックデバイスに垂直配向トランジスタチャネルが採用されていることなどが挙げられます。はるかに大きい長さスケールでは、シリコン貫通電極(TSV)構造を用いて3D構造デバイスを作成することで、複数のダイの垂直積層が可能になります。この3例のような様々な技術の進歩から、プロセス管理とメトロロジー分野で新たな課題が生じており、エッチング構造のプロファイルと深さをこれら3つの間で測定する共通のテーマが必要になっています。SEM、AFM、SPMなどによる確認方法はプロセスの特性評価において重要な役割を果たしていますが、光学的メトロロジーによるソリューションも強く望まれます。光学的手法では、製品ウェハーを高速に測定でき、日常的なモニタリングと高度なプロセス管理が可能になるためです。

図1.シリコン中の正方形トレンチの3Dアレイ(左)と、対応する赤外線スペクトルのシミュレーション(右)。長波長限界におけるRCWA計算法とEMA計算法の一致を示している。

図1.シリコン中の正方形トレンチの3Dアレイ(左)と、対応する赤外線スペクトルのシミュレーション(右)。長波長限界におけるRCWA計算法とEMA計算法の一致を示している。

トレンチ形状検査装置(MBIR)は、正確なFTIR測定システムに、1~20μmのスペクトル範囲と、多層膜・構造からの反射スペクトルのモデルベース分析機能を組み合わせた検査装置です。赤外波長域は、3Dエッチング構造の測定に独自の強みがあり、この利点はすでに、メモリーコンデンサ、パワーデバイストレンチ、分離トレンチなどの様々な構造に対して、MBIRアプリケーションとして活用されています。

赤外線ベースのメトロロジーの主な強みの1つは、複雑な周期構造のモデリングを簡単に行えることです。構造のピッチより高い波長帯では、光は、有効屈折率を持つ均質媒質であるかのように構造内で伝播されます。これを、有効媒質近似(EMA)を用いて、トレンチ構造の形状とその膜材料の屈折率から計算できます。トレンチ幅などの構造パラメータが深さによって変化する場合、それは、各層が独自の有効屈折率を持つ複数の層からなる積層としてモデリングされます。したがって、複雑なエッチング構造の光学的応答をモデリングする際の問題を、多層積層モデリングなどのより単純な問題へと緩和ができます。

このポイントを理解するために、図1に示す例を参照してください。この図は、シリコンにエッチングされた正方形トレンチのアレイの45度入射とS偏光のスペクトルのシミュレーションを示しています。トレンチは、深さ1ミクロン、ピッチ0.25ミクロン、幅0.125ミクロンです。図は、厳密結合波解析(RCWA)を用いた正確な計算と、Maxwell-GarnettのEMAを用いた単純な計算の両方を示しています。約10,000cm-1(1ミクロンの波長)に示されている垂直線は、「回折限界」(最初の透過回折次数が出現する場所)を表しています。回折限界の右側にある短波長域には、スキャトロメトリーで典型的な、より複雑なスペクトルがあります。回折限界の左側にある赤外域には、回折の効果はありません。スペクトルは、トレンチ構造の上部と下部からの反射光の干渉から生じる干渉縞の規則的なパターンで構成されています。図に示すとおり、干渉縞はEMA法で十分に近似できます。トレンチの深さや幅などの構造のパラメータは、干渉縞の周期と振幅から容易に得られます。このように、長波長測定手法により、3Dエッチング構造の測定が非常に簡単に行えます。メリットとしては、解析モデリングが簡単なことのみでなく、赤外線スペクトル自体がかなり単純であり、スペクトルと構造のパラメータとの関係を簡単に理解できるという利点もあります。

テクノロジー

トレンチ形状検査装置

 

トレンチ形状検査装置は、プロセスウェハーの測定を高速かつ再現可能な方法で非破壊・非接触で行う薄膜メトロロジー検査システムです。

IRシリーズの製品では、独自のMBIR(Model-Based Infrared Reflectometry)技術により、半導体集積回路の製造で使用されるエッチング構造と膜の寸法、膜厚、組成、均一性を、高スループット、低COO、非接触・非破壊で測定できます。独自のMBIR技術と分析機能により、主要なサンプル測定に対して、定期的なシステム校正作業頻度が少なくなり、基板の差異による影響がなくなります。

図2.パターン付きウェハー図2.パターン付きウェハー

走査型プローブ顕微鏡(SPM)

従来の光学顕微鏡で得られる最大倍率は約800~1000倍であり、この倍率は光の性質が元になっています。これより高い倍率を得るために、走査型電子顕微鏡(SEM)が使用されています。中でも、透過電子顕微鏡(TEM)は、単一原子を示すことができ、よって可能な限り最高の倍率を提供します。それなのになぜ、別のタイプの顕微鏡である走査型プローブ顕微鏡(SPM)が存在するのでしょうか?

その理由の1つは、透過電子顕微鏡で調べるサンプルは薄くスライスする必要があり、この処理によってサンプルが破壊されてしまう危険性ためです。SPM法では、サンプルにダメージを与えずに、原子(高さ)分解能で表面構造のイメージングを行います。また、別の理由としては、SPM顕微鏡で提供されるイメージングの種類があります。結果が、3D画像のように表示されるのです。これは、2D情報しか評価しない場合も同様です。これは光学顕微鏡を使用した場合であり、サンプルの表面構造を電子顕微鏡で調べるのは非常に困難です。表面プロファイルを最高の分解能で測定するには、サンプルをスライスする必要があります。さらに、SPMは、大気中で動作し、電子顕微鏡や光学顕微鏡とは異なり、他の物理的効果も測定ができます。これには、ケルビンプローブフォース顕微鏡(KFM)などの電気特性や、磁気特性(磁気力顕微鏡、MFM)も含まれます。

 

図2.スペクトル範囲図2.スペクトル範囲

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