キャリア・ライフタイム(µ-PCD、QSS-µPCD)
マイクロ波検出フォトコンダクタンス減衰(µ-PCD)法によるキャリア・ライフタイム測定は、ウェハー製造や太陽電池製造におけるウェハー検査、品質管理、プロセスモニタリングに役立つ技術です。マイクロ波誘導フォトコンダクタンス減衰法は、シリコンの少数キャリア・ライフタイムを測定する最も一般的な方法です。この方法は高い信頼性と再現性を誇り、短い測定時間で高分解能のライフタイムマップが作成できます。
汚染物質の頻発とそのライフタイムにより、効率が損なわれます。
影響度 |
元素 |
---|---|
強 |
Fe、Pt、Cu |
中 |
Pd |
弱 |
Mo、W |
ごくわずか |
Ca、Al、Zn、Ti |
汚染物質は、ライフタイム(あるいは拡散長)への影響が異なる2つの分子状態で存在する可能性があります。
汚染物質の状態を変化させることによって生じるライフタイムの変化で、その汚染物質の量を測定します。
- 状態を変化させる独自の方法が必要
- 定数は経験的に導かれる
- 汚染物質がライフタイムに与える影響は注入レベルによって異なる場合がある
- 変化はμ-PCD法またはSPV法で検出できる
µ-PCD法
シリコン太陽電池や半導体デバイス製造で使用されるキャリア再結合特性と欠陥のメトロロジーであり、キャリアを生成するレーザー光のパルスに基づいています。励起されたキャリアが半導体の導電性を変えます。マイクロ波反射は導電性の変化による影響を受け、測定される信号によって導電性の減衰が示されます。このモニタリングの対象は、バルクライフタイムパラメータです。このパラメータにより、汚染(コンタミネーション)と転位に関する情報が得られるからです。
多結晶シリコンにおける結晶度の役割:
異なる粒子で異なるライフタイムを観察できる
準定常状態マイクロ波検出フォトコンダクタンス減衰
セミラボが開発した新たなライフタイム測定技術は、「QDCによるQSS-μPCD」と呼ばれます。すなわち、「減衰品質管理による準定常状態マイクロ波(検出)フォトコンダクタンス減衰」です。この新技術により、測定精度が向上し、新機能が提供され、対応するアプリケーションが広がります。これは、シリコンPVウェハーの統合型ライフタイム測定法であり、太陽電池製造で最もよく使用される2つのライフタイム – 過剰キャリア減衰ライフタイム(Ʈeff.d)と準定常状態での有効ライフタイム(Ʈeff.ss) – を、パラメータなしで自己無撞着的に決定できます。これが、太陽電池に重要なキャリア再結合パラメータを広範囲の定常照明にわたって決定するためのベースとなります。この手法は、ウェハーマッピングに関するμ-PCD独自の利点も保持しています。
QSS-μPCD法では、減衰ライフタイム測定は、微小摂動の過渡条件を定常状態条件に課して行われます。定常状態条件を実現するために、定常光をオンにします。次に、短レーザーパルスによって追加の自由キャリアが生成され、その減衰をモニターして減衰時定数が求められます。
レーザーの励起は、微小摂動の条件が適切に満たされている場合、定常状態のキャリアの励起より小さくなります。
典型的なQSS-µPCDマップの例:
特徴
- 測定に適した材料:
- ブロック
- as-cutウェハー
- ラップドウェハー
- 拡散ウェハー
- 被覆ウェハー
- 完成セル
- 単結晶、多結晶、EFG材料
- パラメータフリーの非接触法であるため、マッピングに適している
- レーザースポット径が小さい
- 測定に適した材料:表面がパッシベートされたシリコンウェハー(QSS-µPCDを用いる)