分光反射率計
分光反射率は、ある波長範囲で薄膜(あるいは積層膜)から反射される光の量を、入射光がサンプル表面に垂直な状態で測定したものです。この光学法は非接触式で、サンプルを分離する必要がなく精度良い測定が可能です。
分光反射率により、膜厚、光学特性、界面ラフネスを特定することで、薄膜の特性評価が可能になります。反射率は、光学的膜厚のみを屈折率なしで提供し、吸収は波長ごとに計算されます。物理的厚さを抽出するには、データベースの屈折率Nと消衰係数Kの値を用いるか、わずかなパラメータを含んだ分散法を使う必要があります。膜厚と光学特性は解析フィッティングにより特定され、反射率の測定値が推定されたサンプル構造に基づき、反射率のシミュレーション値と比較されます。この分散法は、特定の材料、すなわち誘電体や半導体などの材料特性の検査に有効な手段になります。
分光反射率測定は、長寿命・高輝度のキセノンランプによるサンプルの照射に基づいています。中心バンドルと外側バンドルは、二股石英ファイバーバンドルです。光源は外側バンドルに接続されます。サンプルからの反射光は中心バンドルに収集され、CCDスペクトロメーターでスペクトルが測定されます。
測定スペクトルの評価は回帰手法を用いて行われ、最終結果として、サンプル構造と光学特性(屈折率と消衰係数)が得られます。
測定対象:厚い酸化物
測定対象:酸化物(SPC)
特徴
- 非接触・非破壊の厚さ測定法
- 屈折率を簡単に取得
- 適合性が高いため、確実な回帰を実現
- 材料(a-Siなど)の未知の分光分散に使用できる光学的モデル
- 膜構造と光学特性を正確に特定
SE-2000とSRオプション
SE-2000では、オプションのFTIRエリプソメーターヘッドを可視光アーム付属の同じゴニオメーターに搭載できる独自レイアウトにより、単一装置で深紫外(193nm)から中赤外(25µm)までの最も広いスペクトル範囲をカバーできます。構成としては、スペクトログラフと検出器アレイを用いた高速検出モードか、スペクトロメーターと単一点検出器を用いた高分解能モード、あるいは両方のモードを同じ装置で選択できます。
SE-2000には、コンポーネントを交換可能なセミラボの新型高性能電子機器が搭載されており、最新の動作・分析ソフトウェア(SAM/SEA)で動作します。このシステムは、PCやラップトップからLANネットワーク経由で制御することができ、また、新型タッチパネルインターフェイスで制御することも可能です。