SEM・AFM
なぜSEM-AFMの複合システムを構築するのでしょうか?
理由として、複合SEM-AFMに2つのシステムがそれぞれ独立しているの状態と多数のメリットがあるためです。
複合システムには、表面とナノ構造を測定する新機能があります。
SEMとAFMを組み合わせるとAFMチップを正確に位置決めできます。
AFMは、表面の形状・電気・機械特性に関する正確な情報を提供します。
アプリケーション:
- ※次のような表面特性の分析:
- ・サンプル表面の磁気力
- ・ケルビンプローブフォース顕微鏡(KFM)による表面の化学ポテンシャル
- ・表面やその他多数の導電性
- ・SMDキャパシタの層構造に沿った電位分布
・形状・電気特性 -
・2つの電極材料間の電位差
-
・グラフェンや他の2D材料
※以下に対する特性評価:
- ・半導体のナノサイズデバイスや機能構造のヘテロ構造
- ・エネルギー貯蔵
- ・持続可能なエネルギーの生産
ハードウェアの統合
SEM-SPMの複合システムを実現するために当社が用いたアプローチでは、真空対応のSPMを既存のSEMシステムに統合しました。
この組み合わせを採用したのは、システムの性能と使いやすさを最大限に高めるためです。
別の利点としては、既存のSEMシステムを複合SEM-SPMシステムにアップグレードできることが挙げられます。
どちらの場合も、SEMはその機能に制限されないため、複合SEM/SPM測定が可能です。
SPMは統合用のサンプルスキャナーとして設計されています。
この設計のため、電子ビームとSPMチップを最高の精度でアライメントできます。
ビームとチップが相対的に移動しないためです。SPMスキャン中でも、複合測定の未知の可能性を実現できます。
さらに、この設定では、分解能とフレームレートに関して最高の性能を実現できます。
スキャン装置自体は、安定性・信頼性の高さで定評がある、当社のSTMスキャナーの次期開発版です。
スキャンボリュームが9µm×9µm×1µmであり、10mmのサンプルサイズに対応しているため、
この設計が高分解能を誇っていることは明らかです。
レーザーダイオード・検出器・プリアンプなどの電子構成部品は、
密閉カプセル化されたコンパートメントの内部にある真空室内に配置されています。
レーザー光路のアライメントや、カンチレバーとサンプルの交換も、真空を破壊することなく実行できます。
SPMの位置決めと、対象領域に対するSPMチップの位置決めは、リモートコントロールで実現できます。
SPMにわずかな変更が加えられたUHV対応版もあります。
ソフトウェアの統合
SEM-AFMのような高度に複雑な科学的測定器の機能のグレードは、オペレーティングソフトウェア次第です。
異なる手法をシームレスに統合するには、単一のソフトウェアユーザーインターフェイスが必要です。
当社のSPM Software ScanTool™はオープン設計であるため、独自開発のSEMオペレーティングソフトウェアを統合できます。
この結果、オペレータは両システムを1つのプラットフォームから、
同じソフトウェアで制御でき、タブやウィンドウを延々とクリックする必要はありません。
両手法の設定と画像データをすべて表示するビューへは、障害なしにアクセスできます。
ソフトウェアは、ワークフローとスループットを最大化するよう設計されています。
さらに、DME Automatorなどのプログラム機能を通じてSEM-AFMシステムの全機能にアクセスできるため、
ユーザーは独自の高度な測定ルーチンを設計・実行できます。
したがって、サンプルの異なる部位から同等のデータを取得する自動実行測定ルーチンを作成できます。
SEMとSPMから提供された画像データは、ScanTool™ソフトウェアで分析されます。
標準の分析ツールを使用できるだけでなく、より高度または特別な分析手順を当社が独自に実装することや、
お客様からのご要望に応じて当社がDME AutomatorまたはDME Image Calculatorを使って実装することも可能です。
この技術、製品、アプリケーションの詳しい説明については、ここをクリックしてください。
特徴
- ・ベースは、DME UHV AFMと
Carl ZeissのAuriga® Crossbeamワークステーション。 - ・SEMとFIBはカンチレバーチップで交差。
サンプルスキャナーとしての設計により、
3つの全手法の複合測定を空間内・サンプル上の完全に同じ点で実行可能。 - ・単一原子の3D分解能を実現するよう設計された、
非常に安定したスキャン装置。 - ・スキャナー仕様:スキャン範囲は
(x、y、z)10µm×10µm×1µm。3つの全次元で真の超原子分解能を達成。 - ・SEMとAFMの両方の構成部品向けの単一のソフトウェアインターフェイス。
- ・AFMとSEMの画像に共通のデータストレージ。
- ・5mmの最小SEM作動距離を維持しながら、SEMで0°~85°の視野角を使用可能。
- ・FIBがカンチレバーチップとサンプルに0°および54°の位置から到達でき、
FIBによるin-situのチップ先鋭化をサポート。 - ・AFMと標準のAuriga®機能との切り替えは、
ユーザーが交換できるSEMドアを用いて簡単に実行可能。 - ・標準のAFMカンチレバーをすべて使用できるため、
機能は無制限であり、アクティブプローブは不要。 - ・すべての一般的なAFMの動作モードをサポート。
- ・カンチレバー交換時のレーザー/検出器の自動アライメント。
- ・既存のAuriga® SEMを簡単なドア交換でBRR機能に更新可能。
SEM-AFM
ミリメートルから原子レベルまでをカバー。
SEMのズーム機能を使い、AFMチップを対象領域に直接移動できます。表面の形状や、機械・電気・磁気特性に関する情報をナノメートル分解能で入手できます。
AFMチップは、フォースフィードバック機能のあるナノマニピュレータとしてお使いください。
AFMは、MerlinシリーズとCrossbeamシリーズにご利用いただけます(Zeissの他のSEMシリーズについてはお問い合わせください)。既存のシステムを簡単なドア交換で更新できます。