優れたアクティブ振動絶縁(除震)機能を一体化した基本フラグシップモデル。サブミクロンからナノスケール領域における材料の機械的特性を極限の安定性で評価可能です。
製品概要
セミラボ(SEMILAB)の「IND-1500」は、高精度なナノインデンテーション計測のために設計された、振動絶縁(除震)機能付きの基本バージョン(フラグシップモデル)です。
外部からの微小な床振動や環境ノイズを効果的に遮断するエンクロージャーおよび振動絶縁(除震)機構を備え、薄膜、コーティング、バルク試料の硬度や弾性係数(ヤング率)のきわめて精密な非破壊測定を実現します。
最高峰の閉ループフィードバックシステムと独自のLVDTセンサー技術を搭載し、ダイヤモンドインデンターまたは球状インデンターの貫入深さと印加荷重をリアルタイムに制御・測定。慎重な較正(キャリブレーション)を経て、荷重/除荷曲線から極めて正確な物性値を算出します。
電子機器主要部品・プリアンプの再設計や、頑強な花崗岩製ガントリー(フレーム)の採用により、ナノスケール評価に求められる究極の測定安定性を提供します。
IND-1500が選ばれる主な特長
- エンクロージャー一体型・振動絶縁機能内蔵
デスクトップ型とは異なり、測定精度を大きく左右する振動ノイズを徹底的に排除する専用の振動絶縁エンクロージャーを標準装備。環境を選ばず、常に最高水準のナノスケール計測が可能です。 - 独立した荷重と変位の測定(閉ループフィードバック)
荷重の印加と変位(深さ)の検出を完全に独立して行う、市場でも希少な閉ループシステムを採用。荷重または深さの適用に対してリアルタイムで緻密なフィードバック制御を行います。 - サブナノメートル分解能を誇るLVDT技術
変位センサーおよび力測定センサーにLVDT(リニア可変差動変圧器)技術を導入。極めて直線的な応答特性と、サブナノメートル単位の超高分解能を両立しています。 - 熱ドリフトを排除する高品質PZT膨張素子
圧子軸の駆動(荷重付加)にPZT(ピエゾ)アクチュエータを採用することで、駆動時の発熱をゼロに抑制。熱ドリフトによる測定誤差を極限まで排除し、長時間の測定でも高安定性を維持します。 - チタン製圧子軸による圧倒的な高剛性と堅牢性
シャフト部には高剛性かつ低質量なチタンを採用。機械的破損にほぼ耐性がある頑強な設計のため、長年にわたり定期的な校正(キャリブレーション)を必要とせず、高い信頼性を発揮し続けます。 - 500万画素の最新光学イメージングシステム
高解像度カラーCCDカメラと対物レンズ(標準4倍、オプションで40倍対応)を統合した顕微鏡システムを搭載。メインソフトウェアから目的の測定部位を正確に位置決めできるだけでなく、測定後の残留圧痕(堆積、亀裂、剥離など)の鮮明な画像撮影が可能です。
アプリケーション(豊富な測定・解析モード)
IND-1500は、高度なオプションと組み合わせることで、多角的な材料評価を1台で行うことができます。
- ナノインデンテーション(硬度・ヤング率評価)
シリコンウェーハ上の酸化膜、低誘電率(Low-k)膜、ポリマー、金属薄膜などの硬度($H$)および弾性係数($E$)の精密測定。 - 均質性評価(硬度・弾性率マッピング)
サンプル表面の特定エリア(例:400×400μm領域など)をマトリクス状に多点測定。コーティング厚さのばらつきや材料の均一性をカラーマップで視覚化。 - 破壊靭性(Fracture Toughness)評価
キューブコーナーチップを使用し、材料表面に局所的な応力を加えて破壊靭性を算出。大規模な試料準備や事前の亀裂形成が不要なため、特に脆性材料の評価に最適。 - 粘弾性クリープ(Creep)解析
高分子材料(ポリマーや塗料フィルムなど)に対し、荷重を一定に保持(ステップ荷重)した際の変位の時間変化を測定。最小二乗法を用いてモデルパラメータを推定。 - 動的解析(定量的ダイナミック特性評価)
圧子に微小な振動負荷を印加し、周波数の関数として貯蔵弾性率や損失弾性率(の複素伝達関数を生成。 - スクラッチ試験(密着性・摩擦特性評価オプション)
横方向力検出対応(±20 mN / ±200 mN デュアルレンジ)のスクラッチステーションを構築可能。薄膜の剥離耐性、臨界荷重の特定、摩擦係数のシミュレーションに対応。 - SPM表面プロファイリング
基本構成のまま、圧子チップを用いて試料表面をY-X-Zにスキャンし、走査型プローブ顕微鏡(SPM)のように表面の微細形状(プロファイル)をマッピング可能。
主な製品仕様・構成
| 項目 | IND-1500 標準仕様・構成内容 |
|---|---|
| システム形態 | 振動絶縁エンクロージャー 一体型基本バージョン(高安定仕様) |
| 測定手法 | ナノインデンテーション(非破壊機械的特性試験法) |
| 主要測定項目 | 硬度(弾性係数ヤング率) |
| 高度な機能・ オプション |
スクラッチ試験、粘弾性クリープ、動的解析、破壊靭性、 SPM表面プロファイリング、曲げ試験 |
| アクチュエータ | 高品質PZT膨張素子(発熱なし、熱ドリフト極小化) |
| センサーシステム | 荷重・変位独立型 閉ループフィードバックシステム(LVDTセンサー搭載) |
| XYステージ駆動 | 低コンプライアンス精密ステージ(閉ループDCモーター) |
| 光学顕微鏡 | 500万画素高解像度カラーカメラ、x4対物レンズ(オプションでx40対応) |
| 圧子チップ | ベルコビッチ、ヌープ、球状、キューブコーナー等(ステンレス鋼チャック固定) |
| 比較項目 | IND-1000(デスクトップベース版) | IND-1500(防振機能付き基本版) |
|---|---|---|
| 製品の位置づけ | 省スペース性を重視した卓上設置モデル | 高い安定性と環境遮断性を備えたフラグシップモデル |
| システム形態 | スタンドアローン卓上型システム | 専用の振動絶縁エンクロージャー一体型 |
| 環境ノイズ対策 | なし(装置単体) | アクティブ振動絶縁機能(内蔵) |
| 要求される 設置環境 |
VC-D環境(低振動環境)の確保が必須 | 大きな振動、音、極端な温度変化のないところ(周辺環境の微小な床振動やノイズを内蔵機構が遮断 します) |
| 測定の安定性 | 設置するデスクや室内の振動環境に依存 | 外部振動を徹底排除するため、極限の安定性を維持 |
| 荷重・変位測定技術 | 独立型 閉ループフィードバック(共通) | 独立型 閉ループフィードバック(共通) |
| センサー分解能 | LVDT技術によるサブナノメートル分解能(共通) | LVDT技術によるサブナノメートル分解能(共通) |
| 熱ドリフト対策 | 高品質PZT膨張素子による発熱なし設計(共通) | 高品質PZT膨張素子による発熱なし設計(共通) |
| 主な測定モード | 硬度・弾性係数、クリープ、破壊靭性など(共通) | 硬度・弾性係数、クリープ、破壊靭性など(共通) |
| 拡張オプション | スクラッチ試験、動的解析、SPMプロファイリング等(共通) | スクラッチ試験、動的解析、SPMプロファイリング等(共通) |
| おすすめの用途 | すでに除振台や振動対策が施された研究室への導入 | 一般的な研究室・工場内で、環境を選ばず最高精度のナノ計測を行いたい場合 |

