ナノ・サーフェス特性評価
半導体分野における表面の形状的特徴は、推定される故障原因に関する情報の収集源として、あるいは、成功率を評価してプロセス全体の歩留を向上するための基盤として重要な指標となります。したがって、半導体分野全体でシリコン基板やパターン付きウェハーのごく小さい表面特徴の調査が様々なアプリケーションで行われています。
SPM – ナノ・サーフェス
従来の光学顕微鏡で得られる最大倍率は約800~1000倍であり、この倍率は光の性質が元になっています。これより高い倍率を得るために、走査型電子顕微鏡(SEM)が使用されています。中でも、透過電子顕微鏡(TEM)は、単一原子を示すことができ、よって可能な限り最高の倍率を提供します。それなのになぜ、別のタイプの顕微鏡である走査型プローブ顕微鏡(SPM)が存在するのでしょうか?
その理由の1つは、透過電子顕微鏡で調べるサンプルは薄くスライスする必要があり、この処理によってサンプルが破壊されてしまう危険性ためです。SPM法では、サンプルにダメージを与えずに、原子(高さ)分解能で表面構造のイメージングを行います。また、別の理由としては、SPM顕微鏡で提供されるイメージングの種類があります。結果が、3D画像のように表示されるのです。これは、2D情報しか評価しない場合も同様です。これは光学顕微鏡を使用した場合であり、サンプルの表面構造を電子顕微鏡で調べるのは非常に困難です。表面プロファイルを最高の分解能で測定するには、サンプルをスライスする必要があります。さらに、SPMは、大気中で動作し、電子顕微鏡や光学顕微鏡とは異なり、他の物理的効果も測定ができます。これには、ケルビンプローブフォース顕微鏡(KFM)などの電気特性や、磁気特性(磁気力顕微鏡、MFM)も含まれます。