走査型プローブ顕微鏡(SPM)

 

従来の光学顕微鏡で得られる最大倍率は約800~1000倍であり、この倍率は光の性質が元になっています。これより高い倍率を得るために、走査型電子顕微鏡(SEM)が使用されています。中でも、透過電子顕微鏡(TEM)は、単一原子を示すことができ、よって可能な限り最高の倍率を提供します。それなのになぜ、別のタイプの顕微鏡である走査型プローブ顕微鏡(SPM)が存在するのでしょうか?

その理由の1つは、透過電子顕微鏡で調べるサンプルは薄くスライスする必要があり、この処理によってサンプルが破壊されてしまう危険性ためです。SPM法では、サンプルにダメージを与えずに、原子(高さ)分解能で表面構造のイメージングを行います。また、別の理由としては、SPM顕微鏡で提供されるイメージングの種類があります。結果が、3D画像のように表示されるのです。これは、2D情報しか評価しない場合も同様です。これは光学顕微鏡を使用した場合であり、サンプルの表面構造を電子顕微鏡で調べるのは非常に困難です。表面プロファイルを最高の分解能で測定するには、サンプルをスライスする必要があります。さらに、SPMは、大気中で動作し、電子顕微鏡や光学顕微鏡とは異なり、他の物理的効果も測定ができます。これには、ケルビンプローブフォース顕微鏡(KFM)などの電気特性や、磁気特性(磁気力顕微鏡、MFM)も含まれます。

 

図2.スペクトル範囲図2.スペクトル範囲

走査型プローブ顕微鏡(SPM)の種類

 

DCモード

最も基本的なAFMの動作モードは、「DCモード」あるいは「コンタクトモード」と呼ばれます。最も基本的なAFMの動作モードは、「DCモード」あるいは「コンタクトモード」と呼ばれます。カンチレバーとサンプル表面が相互に近い位置にある場合、力がカンチレバーの(検出)チップに加えられます。この結果、カンチレバーが曲がり、これが検出レーザーの反射角度を変えます。そして、レーザーの偏向が、位置に敏感な光検出器で測定されます。アプローチ中にカンチレバーがサンプルに向かって動いている間に、カンチレバーに引力が作用します。この負の力を使って表面スキャンを実行できます。

 

図3.DCモード

図3.DCモード

 

図4.ACモード

図4.ACモード

ACモード

カンチレバーをダメージから守るために、ほとんどのAFM顕微鏡は通常、DCモードではなくACモードと呼ばれるモードで動作します。このモードでは、スキャン中に非常に小さな力が使われ、分解能が損なわれずに、表面とカンチレバーとの間に非常に小さな相互作用が起こります。
カンチレバーは、その共鳴周波数によって永続的に振動します。この振動の結果、カンチレバーが周期的に曲がり、これが、DCモードと同様に、反射レーザー光で測定されます。カンチレバーが表面の近くにあり、表面原子と相互作用している場合、共鳴周波数が変わります(カンチレバーが表面に到達すると、共鳴周波数が高くなります)。この結果、振幅が減衰し、カンチレバーの振動の位相が変化します。チップとサンプル間の相互作用力とカンチレバーの振動の減衰は、チップがサンプルの近くにある場合、ほぼ比例します。

ACモードはDCモードより小さい相互作用力で動作し、次のような利点があります。

  • 相互作用力が小さいため、表面自体が測定から受ける影響がはるかに少なくなります。
  • 力が小さいため、多数の画像に対して単一のカンチレバーを一般に使用できます。
  • DC測定では破壊されるおそれのある壊れやすいサンプルを、ACモードではイメージングできます。
  • 位相シフト/減衰の関係は表面材料に特徴的であるため、この動作モードからはより多くの情報を得ることができます。

 

磁気力顕微鏡(MFM)

磁気力を検出するには、カンチレバーを使う必要があります。カンチレバーは磁気コーティングされており、標準のMFMチップの磁気コーティングの厚さは約40nmと比較的厚くなっています。この厚さのため、チップ半径が約50nmと大きくなり、これは従来のAFMチップの半径をはるかに上回っています。こうした標準チップでは、約100nmの横方向磁気分解能が得られます。よって、磁気分解能は、AFMの形状測定で一般に期待できる分解能よりはるかに低くなります(AFMの10分の1)。

MFMチップがサンプルの近くにある場合、磁気力だけでなく、機械力も、カンチレバーで測定される力に影響を与えます。磁気力は機械力よりはるかに小さいですが、長距離にわたって影響を与えます。この2つの力の源を分離するために、MFMでは力をサンプル表面から特定の距離(機械力による影響を無視できる距離)で測定する必要があります。

図5.MFM

図5.MFM

 

図6.KFM

図6.KFM

ケルビンプローブフォース顕微鏡(KFM)

このモードでは、カンチレバーとサンプル表面の間の化学ポテンシャルを特定します。このため、材料と、サンプル表面でのその状態に関する情報が得られます。KFM測定の基本設定を図6に示します。サンプルは、周波数生成器の出力に電気的に接続されます。これにより、カンチレバーとサンプルの間に振動電界が生じ、これをAFMの位置センサーで測定できます。ここで検出された信号は、次に、ロックインアンプに送られ、その出力がインテグレータに入力されます。そして、この結果が一定オフセットとして振動に加えられ、これがサンプルに作用します。これはフィードバックループとして機能し、電気的に誘発されたカンチレバーの振動を最小限に抑えます。

この技術と製品の詳しい説明については、ここをクリックしてください。アプリケーションについては、ここをクリックしてください。

 

特徴

ほぼすべての走査型プローブ顕微鏡(SPM)は、原子高さステップに対応できます。

  • AFMは、横方向原子分解能に到達できます。
  • 横方向原子分解能を持つAFMは、特別な状況でのみ、つまり、柔軟性が低下しても横方向原子分解能を実現することが重要な場合にのみ使用され、設定全体の安定性を高めることが必要とされます。
  • 一般的なAFMは比較的大きなスキャン領域(50~200µm)用に設計されており、スキャナーステージによって多数の異なるサンプルの種類やサイズの調査が可能です。
  • STMには、トンネル電流が常にサンプル表面上の次の原子に直接流れるという利点があります。このタイプの「自己集束」はAFMでは起こりません。
  • STMは、用意したサンプル表面が長期的に影響を受けずに保たれるように、通常は超高真空で使用されます。
  • STMは安定したスキャンプラットフォームに統合されることが多く、最大スキャン領域は約0.5~10µmです。
製品ラインナップ

DS走査型プローブ顕微鏡(SPM)シリーズ

DS-95 SPMスキャナーシリーズは、究極の使いやすさと性能を両立しています。SPMのアプリケーションと製造の分野において長年にわたる実績と経験があり、この経験がDS-95 SPMスキャナーに活かされていて、ユーザーが可能な限り短い時間で最高かつ最も確実な結果を得られるようサポートします。DS-95 SPMスキャナーはコンパクトな設計であるため、驚きの安定性とスキャン速度が保証されます。カンチレバーは独自のplug and play式で交換でき、測定器の高速で安全な操作が可能です。SPMスキャナーに内蔵されている光学軸は、アプローチと位置決めの間に、完全な視覚的制御を可能にします。DS-95 SPMスキャナーは、SPMモードの一般的な機能と高度な機能をすべて備えています。スキャンヘッドに内蔵の電子機器により、電気SPMモードで最小限のノイズ値が保証されます。DS-95 SPMスキャナーは、ステージへの搭載だけでなく、ナノインデンターや光学顕微鏡などの他の装置にも搭載できます。

DS走査型プローブ顕微鏡(SPM)シリーズ

 

お問い合わせ

ご質問・ご相談はこちら

TEL 045-620-7960

日本セミラボ株式会社株式会社

〒222-0033
神奈川県横浜市港北区新横浜2-15-10
YS新横浜ビル6階
TEL: 045-620-7960(代表) FAX: 045-476-2146

セミラボグループ
セミラボグループロゴ
Semilab AMSロゴ
Semilab QC ロゴ
Semilab SDI ロゴ
Semilab Sopra ロゴ
Semilab SSM ロゴ