弾性金属プローブCV測定(FCV)
FCV法は、ゲート酸化膜などの誘電体やソース/ドレインなどの極浅インプラントに関連する電気パラメータを高速に測定します。この方法は、広範囲のドーズ量に対して優れた感度を発揮します。
FCVは、ベアウェハーまたはパターン付きウェハー上のSi、SiC、GaNエピタキシャル層や、誘電体、PN接合の電気特性の測定に非常に有効な手法です。CV測定は特許取得済みのEMプローブ技術を使って化学的処理なしに行われ、水銀接触やウェハー表面のダメージ/汚染(コンタミネーション)の懸念がありません。
FCVシステムは、小型弾性プローブを使い、誘電体表面に仮ゲートを形成します。
使用される弾性材プローブ(EMプローブ)には2種類あります。最初のA型プローブはすべてのCV、GV、表面抵抗率測定に使用されます。プローブ表面にある自己充足式誘電体が直接トンネル電流をブロックし、約6オングストロームまでのSiO2で漏洩のないCV測定を可能にします。IV測定にはC型プローブが使用されます。このプローブには酸化しにくい独自の金属が使われており、この酸化膜は絶縁性ではなく導電性です。弾性プローブの直径は30µm未満で、誘電体表面にダメージを与えません。
測定されるパラメータ:
- キャパシタンス有効厚さ(CET)
- 等価酸化膜厚(EOT)
- 界面準位密度(Dit)
- フラットバンド電圧(Vfb)
- 閾値電圧(VT)
- 酸化物キャパシタンス
- 平均表面ドーピング(NSURF)
- フラットバンド電圧の変化(Delta Vfb)
- コンダクタンスピーク(Gmax)
FCVの順方向&逆方向CV曲線。CVベースの主なパラメータを図に示す。
特徴
- ・エピ(Epi)層の高速モニタリングを行う非侵入弾性材プローブ
- ・パターン付きウェハー用には金属パッド付属の硬質プローブ
- ・特別設計のEMプローブにより、ウェハーへのダメージを解消
- ・ウェハー表面にダメージや汚染を残さないEMプローブ
- ・製品ウェハーの試験片での測定が可能
- ・完全なCVプロファイリング(周波数1kHz~10MHz)
FCV
ゲート誘電体の特性評価とイオン注入のモニタリング(10~250Å二酸化シリコンまたは高k誘電体)。部位ベースの測定(SEMI規格の試験パターンに従い、一般に5~9ポイント/ウェハー)。
特別設計のプローブは、ウェハー表面を汚染しないため、ウェハーにダメージを残しません。
- 表面近傍の電気的に活性なドーパントの密度(NSURF、ρSURF)
- 抵抗率範囲:0.005~200Ωcm
- IVを1fAまで測定可能
測定機能:
- CV測定
- IV測定
- 勾配電流ストレステスト(RCST)
- 一定電流ストレステスト(CCST)
- 勾配電圧ストレステスト(RVST)
- 一定電圧ストレステスト(CVST)
- オフラインキャリアプロファイリング